豊かだ!非常に。
映像表現ということの豊かさを、魅力をありとあらゆるところから引き出して見せてくれる。ディテールの奥行きも、時間の流れさえ。
映画の魅力って実に、こういうところに潜むよなと妙に納得して静観して。100の台詞よりも多くを語ってくれるたったひとつの微笑みや仕草、ひとがひとを演じるということの本髄をたっぷり味わうことできる。
これはとっておきの作品のひとつになりそう。特別なチョコレートをゆっくり舌の上で溶かしてゆくような…
原作は未読だけれども、パトリシア・ハイスミス的に途方もないバッドエンドになったりするんじゃ…とややヒヤヒヤしていた身としては、かなり「いいところで」エンドロールに入ってくれたと思えた。笑