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キャロルのmitzのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.0
1952年のクリスマスを舞台とした、ある貴婦人と平凡な女性の恋愛物語です。一人には家庭が、一人には求婚する男性がいるように、たまたま惹かれ合った二人が同性だっただけでこの映画の場合「同性愛」はひとつの要素に過ぎません。
言わずもがなですが、この映画の最大の魅力はケイト・ブランシェットとルーニー・マーラの演技力です。感情的でプライドの高いキャロルと結婚も昼食も決められない優柔不断で繊細なテリーズ。受動的な女性同士の情緒や心の機微をひとつひとつ丁寧に描き、時代背景にある同性愛に対する偏見や本人たちの背徳心も鋭角に伝わってきます。そして何よりベッドシーンがエロくて、それ以上に美しいです。
ひとつ気になったのは、キャロルの持ち歩いていた拳銃です。弾丸はもともと入っていなかったのか、入っていたのに誰かが抜いたのか。(後者であれ)
オープニングの「CAROL」という文字の出だし、そして余韻の残る素晴らしいラストシーン。ズシッと見応えのある作品です。#Filmarks2016
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