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キャロルのc0c0のレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.0
心に従わなければ人生は無意味、劇中で出てきたセリフ。
なら、私も心に従った感想を残そうと思う。

今作はスコアが難しい。
自分がLGBTとして今作は期待していた。
『アデル、ブルーは熱い色』のようにただただ性別関係なく好きになった人を想いたいという作品だった。
けど、『アデル…』のように胸をつくような感覚には落ちなかった。

画の美しさは際立っている。
美しいマダムキャロルを演じたケイト・ブランシェットさんの恋愛豊富の感じは堪らない。
毛皮と赤い爪が似合う素晴らしい美貌。
従いたくなるそんなキャロル。
テレーズ役を演じたルーニー・マーラさんもウブな美しさがある。
好きで好きで堪らないキャロルを追う姿は苦しさまでも感じた。
2人とも美しく、また演技派。
とくにケイト・ブランシェットさんの悲しみや怒り、微笑み、そういう表情がキャロルという人物が乗り移ったようにさえ感じてしまった。
ケイト・ブランシェットさんの表情は格別。

ただ、ストーリーは少し気になる。
これレズビアンじゃなかったら不倫なんだよね。
そこらへんどうなんだろう。
レズビアンだから美しい、ならまた話は違ってくる。
レズビアンなら不倫していいのか、ならそれも差別では無いのか。
画は美しい、けれどレズビアンだから美しいのなら私は拒否したい。

また、私の中でのキャロルの立ち位置はやっぱり【母親】なんだろうなって思う。
テレーズよりも娘を想っている気がしてななかった。
キャロルもテレーズの事は好きなんだろうけど、寂しさを埋めるためのものだったようにも見える。
テレーズは身を捧げる覚悟で逃避行したのだけど、キャロルは縋りたいほど彼女に没頭している感じには見えなかった。
私の中でやっぱりキャロルには【娘】が第1に見えてしょうがなかった。

ラストはこれからどうなるのか妄想したくなるラストで素晴らしい。
画は美しい綺麗見惚れる。
ストーリーはモヤモヤが残った。

最近、ケイト・ブランシェットさんの表情が堪らない。
「私たちは醜くないはずよ」のキャロルの表情がゾクッとした。

ストーリー : ★★☆☆☆
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★★☆
キャスト : ★★★★★
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
演技 : ★★★★★

cc/このうえもなく美しく、このうえもなく不幸なひと。キャロル、あなたが私を変えた。
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