しろくま君

キャロルのしろくま君のネタバレレビュー・内容・結末

キャロル(2015年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

2017.08.02

テレーズが最後のキャロルの言葉だけにノーと言ったのが印象的だった。その瞬間バッドエンドを感じたが、まさかのハッピーエンドに号泣。出会いが目と目で始まるように、終わりも目と目で終わったのが変に説明的じゃなくて良かった。

劇中歌も素晴らしく世界観も好みだった。

旅のシーンが最高です。もしや彼女達は体の関係なしの愛かな?と思ったが、徐々に二人の距離が縮まる感じがドキドキした。最初は別々の部屋だったのに同じ部屋になり、そして体を重ねるのが艶めかしくて良かった。同じ部屋にしようと言うのが、テレーズからってのも最高。sexシーンとキスシーンでガッツポーズしたのは今作が初めて。個人的にはsexシーンよりも、香水を嗅いでと首を差し出すシーンが一番エロいなと思った。

キャロルがずっと美しすぎだし、タバコを吸う姿が様になってる。青のニットをとって欲しいとテレーズに頼むシーンが、一番美しいと思う。最初はテレーズのことを遊びなのか?とも思ったが、テレーズを自由にすることこそ愛だと悟った時は泣いた。

テレーズは目線がいい。思春期の初恋って感じが出てる。キャロルのことをどんどん
好きになっていってるのが、見ていてわかって可愛かった。きっと、キャロルがテレーズのことを置き去りにしたことを、彼女は許していないから、一緒に住まない?の言葉にノーと言ったんだろうと勝手に解釈している。許せない気持ちより、愛が勝ったからこそのあのラスト、感動です。

女性同士の愛を語る時、大体男性が否定的に描かれる。男性が偏見的でなくても、キャロルとテレーズは愛し合ったと思う。男性に素敵な人がいてもキャロルとテレーズは巡り合ったよ。そこだけが少し残念。

2018.08.20

何度観ても名作は名作。今回観てテレーズの独立と、キャロルの弱さの対比が見事だなと感じた。

ラストシーンでテレーズが、キャロルの誘いを断ったのは、もうお昼ご飯のメニューも決めれないような女の子じゃないからなのかなあ。

2019.4.30

平成最後の日に大好きな映画を観賞。

テレーズの見た目はフェミニンなのに中身がボーイッシュなところが伏線っぽくていい。

出会いはテレーズの場所にキャロルが来たのに終わりはキャロルの場所にテレーズが来るのもいい。

セリフではなく画面で愛が再び2人を結ぶことを描写してるのもいい。神映画。

2023.09.02

2019年以降も何度も見てるけど久々に鑑賞。相変わらず圧倒的良さ。

車の窓に見える金髪の女見てキャロルとの思い出を噛み締めるテレーズ良すぎたし、その対比のように別れたあと車の窓からテレーズを目で追いかけるキャロル良すぎ。

同じ日にクリスマスプレゼント買ってるの尊い!!

テレーズはNOということで大人になったように見えるけど、テレーズが大人になった瞬間は、意固地でNOということを選ぶ瞬間ではなく、時間をかけて考えてキャロルを選んだ瞬間である……。キャロルは身勝手な女に見えるけど、唯一テレーズそのものを見てくれている。テレーズを好きだという他の男は、テレーズではなく女という存在をものにしようとしているが、キャロルはテレーズでなければいけなかった。強い。

夢見たタイムズ紙の仕事も、男社会で薄ぼやけた色彩で描かれていることで、そこまで充実していないことが分かる。

キャロルが好きなのはもちろんだけど、見れば見るほどテレーズが好きになる。

テレーズの前で大人ぶってるだけで、本当はキャロルもずっと何も決められない自分が分からない人間なの結構好き。おっちょこちょいで、依存性なキャロル。おろかで美しい。

一目惚れはいつも色鮮やかすぎる。