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キャロルのtamakenのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.8
社会的な境遇も大きく異なる2人。障害が大きければ大きいほど盛り上がる典型的なメロドラマと言ってしまえばそれまでだが、2人の存在感がそれを単なるメロドラマに終わらせず、作品に魅力を湛えさせている。

ケイト・ブランシェット演じるキャロルは優雅で強い大人の女性、ルーニー・マーラ演じるテレーズはまるで少年のような無垢な女性であるが、その外面とは異なる内面の描写は、この作品に深みをもたらしている。

そして何よりもカメラワークが秀逸だ。敢えて16mmフィルムで撮影したという画面の質感は舞台の1950年代を引き立てる。

それにしても「ドラゴンタトゥーの女」のリスベットを演じていたのが、ルーニー・マーラとは。とても同一人物とは思えない。
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