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キャロルのellieのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.2
美しすぎる大人の映画。
ケイト・ブランシェットの美しさとルーニー・マーラの可憐さにはじめから終わりまで目が離せない。
一目で恋に落ちる、という、台詞のないシチュエーションがここまで品よく饒舌に伝わる映画を観たことがない。しかも、単なる外見の要素だけでなく、混濁した生身の人らしさを言葉少なに見せながらも、滲み出る妖艶さと気高さでテレーザの心を鷲掴みして離さない、キャロルという人となりを演じきったケイトの演技に脱帽。
冒頭の、キャロルの発する「天使みたい」という台詞の破壊力。
ルーニー・マーラもまた、歳上の女性に翻弄されつつも凛とした美しさを最後まで失わない、この言葉通りのテレーザという一人の女性をうまく体現していた。
性愛や人が出合い心を通じ合わせるある一定期間の衝動を越えて、永遠とも言える間柄をこれだけのスパンとシンプルさで描き、余韻まで残すとは恐れ入る。
最後の「愛してる」というキャロルの言葉を、こんなにも感動して聞くことになるとは思わなかった。とにかく、素晴らしいの一言。
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