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キャロルのniのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
5.0
ポスターの雰囲気、TwitterなどSNSで時折見かけるパステル調の雰囲気、「このうえもなく美しく、このうえもなく不幸なひと、キャロル。あなたが私を変えた。」というキャッチフレーズに惹かれてずっと前から観たいと思っていた作品。150本目を何にしようか考えて、この作品しかないと思い、やっと観ることができた。

本当に素晴らしくて想像を上回ってきました。カメラワーク、服装、音楽、どこか不安定な雰囲気、主役2人の美しさと演技もうどこを切り取っても素晴らしい。 セリフは全体を通して少なめで、視線で訴えかける場面が全体的に多い。人によっては飽きやすいのかもしれないけど私としてはそれが凄くよかった。それと50年代のファッションがとっても可愛くて…!もっと早く見ておけば良かったなと後悔🤦‍♀️

最初から最後まで静かに美しく進んでいくこの世界観に終始入り浸ることが出来た。50年代という今から約70年程前という時代設定なのに古臭さは微塵も感じさせられない。

主役2人が、本当に素晴らしかった。お互いがお互いを本当に大好きなんだなということがすごくすごく画面を通してでも伝わってきた。静かな中の強い愛が素敵だった。

ストーリーがすごく現実的で説得力があるなと思ったら原作者の自伝のような物らしい。当時今よりもずっと同性愛に対する差別や偏見が厳しい中で、自分を貫けた人物が本当にいたのだなあと思うと尊敬の念で溢れてしまう。

出てくる男性にはいい人がいないので、ひょっとしたら男性が見たら気分を害すこともあるのかもしれないけれど、当時の同性愛の辛さをより鮮明にするためには仕方がないのかもしれない。私はテレーズのボーイフレンドが少し可哀想に思えた、、確かに言動は悪いけどあんなに頑張って船旅を予約したり、プレゼントをあげたりしているのに相手からは何も返ってこない、、可哀想、、

テレーズがキャロルによって成長していく過程も見物だなあと思った。最初はディナーのメニュー1つ決められなかったのに、だんだん話が進むにつれてはっきりはしないものの少しずつ意思表示ができるようになっていく。キャッチフレーズに「あなたが私を変えた」、キャロルとの出会いによって自分の意志を貫くことを少しずつ学んでいくのだと思う。

ベットシーンが思ったより過激で、PG12指定で大丈夫なのかと思うぐらいだったけど、あれは芸術だなって思うぐらい、官能的で美しかった。

終わり方も良かった。こちらに想像を任される感じ。ここでも今までに沢山でてきた「眼差し」で締めくくられる。
たとえ相手が誰であろうと、同性であろうと、自分が本当に大好きな人を愛すことの切なさと美しさが見事に描かれていました、素敵。見事に主役ふたりが役にハマりにハマっていて、本当に良かった。どこを見ても欠点がない映画でした。これぞ映画!!という感じです。本当に素晴らしかった…😭 身終わったあとの満足度が最高です。この満足感を味わえたのは羊たちの沈黙以来でした✨

ケイトブランシェットとルーニーマーラのこの作品が大好きになりました😂 ルーニーマーラがオードリーヘップバーンに似てるなって思ったのは私だけでしょうか、すごく可愛い、、、

好きすぎて定期的に観てる、多分もう5回は観た笑
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