KnightsofOdessa

チェドのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

チェド(1976年製作の映画)
2.5
[セネガル、宗教三つ巴抗争と囚われの姫] 50点

センベーヌ・ウスマン長編五作目。キャリア初の時代劇。舞台は18世紀くらいだが明言はされず、センベーヌとしては現代まで続く、そしてアフリカ全土で行われている事象として一般化しようとしている。舞台となる王国では三つの勢力がしのぎを削っている。一つ目は伝統を重んじる王国派、二つ目は新興勢力として実験を握ろうとするイスラム教派、三つ目は二人の白人が代表するキリスト教派である。白人たちは権力よりも奴隷や武器を含めた交易に興味があるので、実質的にはニ勢力だが。イスラム教徒を率いる導師によって、国民の改宗が次々と進み、国王の権威は失墜していた。そんなとき、チェド=非改宗者の村人三人が姫を誘拐する事件が発生し、ぶつかり合いが激化していく。冒頭30分くらいは国王を前に、裁判のように各々が信条をぶつけ合う。センベーヌ作品は服装で立場を分かりやすくするという視覚的な語りが物語を先導していたが、本作品では王太子/勇者/王の甥(姫の元婚約者)がみんな同じようなカラフルな格好をしているので、話がよく掴めない(本質的には彼らを分ける必要はないのかもしれんが…)。その三人組が荒野のど真ん中にある姫のハンモック兼監禁場所にやってくる場面の睨み合いは面白かったけども。過去四作品が絶望的な物語だったことを考えると、本作品はまだ希望的だが、如何せん単調なので退屈なのが惜しいところ。
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