とぽとぽ

ディア・ホワイト・ピープルのとぽとぽのレビュー・感想・評価

4.0
"エボニーとアイビー"=名門大学に巣食う闇「親愛なる白人の皆さん、黒人の友人が二人未満の場合黒人差別主義者です」ーーーー白人社会の黒人。本当に賢く主義主張を持った(けど悩む)サム=テッサ・トンプソンが人間的に魅力的で格好良い、最初のカットから引き込まれる。画の色合いや少しウェス・アンダーソン的テンポが絶妙で実に意義深く表現の責任と可能性に直面しながら、恐ろしく知的でウィットに富んでいて真にスマート。見事に練られたストーリーテリングに舌を巻き鮮烈で強烈!ゆっくりとズームイン・ズームアウトしたり時に真正面から捉えたり時に鏡を介したりする演出がいいし、世界観のプレゼン(ex.テロップ、タイトル情報)がキャッチーで癖になるよう。そして気づけば本作に胸ぐらをガッシリ掴まれて逃れられないものを見せつけられる。熱を帯びるキッカケはどうであれ姿を変えては存続し続ける根深い差別意識と対立、カルチャーの多様化と保護。衝突の火種はいくらでもある、ステレオタイプに火を点ける。作品の節々から漂うチャーミングさもまた導火線。世の中を変えようと名を売ろうとして利用して利用される。アクションするのはもうこれ以上搾取されないぞという意思表示で決意表明、"強い"女性のロマンスやヒエラルキーも少し絡めて。淡々とした語り口なのに、いやだからこそ次これからどうなっていくのかということが凄く気になるしストレスフル。激化していく様が映画として本当に面白く、嫌味じゃなく素直によくできた映画で見る価値のある一本だと思う。

「黒人が集まると反乱を起こすとでも?」
"This is Winchester."
「反動的な芸術もある」「均質化された黒人イメージを消費しているのは白人よ」
「どこに送られようが決してユーモアを忘れるな」
「本当は黒人をニガーと呼びたい願望の裏返し」
「白人はいつも自分が発見したみたいに言う」→ちなみに大部分のアメリカ人はTOYOTAをアメリカの企業だと思ってるとか?
「黒人性が注目されること」黒人度を上げる
「君はポーンだ、チェス盤から降りろ」
"Can't live here anymore"
「私は世間に名前を知られたい」どっちの名前?「いずれ対決しなきゃね」
「敵か仲間か知りたい」
「カウンター文化は主流を揺さぶる」「黒人は偏見を持っても差別主義者にはなれない」
「拡声器のスイッチを入れろ」
「混血!混血!混血!」This isn't you.→So who am I?「ベイルマンが好きなのにスパイクリーと主張」「君は本当のアナーキストだ。騒動から美しい映画を撮る、すべてにおいて美しい」
「私がいなければただのお坊っちゃま集団でしょ」
「君は黒人が虐げられた時代を懐かしんでいる」闘うべき相手が欲しいから
「そのために多くの黒人が人生を無駄にしてきた」売名、脚光「奴等の思い通りになるな、満足を与えるな!」
「過去をリサイクルしてるみたいです、食べ物にファッション、音楽、いざござも」「もう黒人に驚かない?」「あなたは見た目だけよ」
「それから...ニガーニガーニガー、ニガーニガー、すっきりした」
「君は高校の花形だったろ」「同じ学校に通ってたら君の味方をした」
「怒れる黒人女役はウンザリ」白人の黒塗り
「どうして白人は黒人になりたがるの?不思議な共生関係ね」
「キャンパスで大変なことが。寄付者の皆さんにこの大学の実態を話そうか?」
"They wanna be like us!!"
勝手に関連作:『親愛なる白人さま』含むスパイク・リー作品&ウェス・アンダーソン作品、『ゲットアウト』『ボーイズンザフッド』『ハイスクール白書』
TOMATOMETER91% AUDIENCE62
Critic Consensus: Dear White People adds a welcome new voice to cinema's oft-neglected discussion of race, tackling its timely themes with intelligence, honesty, and gratifyingly sharp wit.
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