テイアム

キングスマンのテイアムのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.8
  興奮が冷めない状態ではレビューなんて書けない…  なんて思ってたけど、これじゃあいつまで経っても書けるわけないじゃないか!!

だって今も観てるんだ!(4周目)

  アバンタイトルシーンの、何ともエンターテインメント色の強い、いかにも漫画的なヘリ登場シーンから、このドタバタ残虐スパイアクションの方向性はもはや宣言済み。
  ノーランの『ダークナイト』が決定付け、その後のダニエル・クレイグ版007シリーズを初めとした多くの作品が後を追った所謂“シリアス路線”は継承しないという分かり易い意思表示だった。
  そりゃそうだよね、だって『キック・アス』のマシュー・ボーンなんだから。
  となると暴力、残酷表現も振り切ってギャグにしている予想はつく…  ついていたと思っていたんだけど、展開の1つ1つ、アクションの端々に良い意味で何度も裏切られて上手く乗せられて、素直に「楽しい!」「面白い!」「また観たい!」という感想がこぼれてしまった。
  監督は曖昧な「考えさせられる」なんて感想は欲しくないのだろう。
  それでも監督はコリン演じるハリーのセリフとして、身分の逆転や成り上がりを描いた『大逆転』『ニキータ』『プリティ・ウーマン』を引き合いに出して『人は生まれた環境で全てが決まる訳ではない』というメッセージをエグジーの成長物語として描きつつ、根強い階級社会とそこに居座る“俗物”を揶揄することは忘れなかった。
  監督のスパイ映画への想いもかなり色濃く反映されており、特に007シリーズへの(愛のある)批判やオマージュが嬉嬉として散りばめられ「昔の悪役はクセが強くて良かったよね」とか「昔の作品は人を殺しといてオシャレで面白いセリフ言ってたよね」とか「マティーニはジンベースだろ(ジェームス・ボンドはウォッカベース)」とか、オタクっぽくていちいち面白い。

  なんと言ってもコリン・ファースがこの作品の大看板なのは言うまでもなく、彼の中性的かつアダルトな魅力はタイトにキマったダブルのスーツと眼鏡、そして紳士的な立ち居振る舞いで充分に発揮されつつ、本作ではアクションにおいて新境地を開拓するに至った。
  映画の設定とキャストが発表された時点で過去の出演作における彼のスーツ姿を思い出しては彼がハマり役なのも頷いていたけど、初のアクションとは思えない身のこなしは『96時間』のリーアム・ニーソンほど特殊部隊的でなく、あくまで紳士。
  メモしたくなるようなセリフの数々もあくまで紳士。
  オトナの夢と魅力と微かな雑味を詰め込んだキャラクターが嫌味なく造形されております。
  更に中盤にはコリン・ファースが教会で大人数を相手に髪を振り乱しながら激しく戦うという、なんとも女性には(もちろん男性にも)堪らない『ハリー無双』が用意されている♡
ここは劇中最も残虐表現が詰め込まれたシーンではあるけれど、死んでスッキリするようなクズだらけで観る者に全く罪悪感を覚えないように設定してくれたのは、マシュー・ボーンの気の利いた計らいだと思っています♪

  注目すべきはストーリーに限らず、登場人物のキマったスーツはもちろんのこと、訓練中の可愛すぎるオーバーオールなど衣装も細部までこだわりが感じられ、小道具も遊び心いっぱいであるにも関わらず実在の高級品がモチーフというオトナ買い対象商品となっていて購買意欲をそそりまくる。
  
  マーク・ストロングが『コレは俺の』と言いたい気持ちも分かるな。
  そう言えば彼はパイロットの制服が似合い過ぎ♪マーク・ストロング好きはアレだけでご飯いけます。
  サミュエル・L・ジャクソンも相変わらずたくさん説教してくれたし、部下の義足お姉さんガゼルも『007ゴールドフィンガー』のオッドジョッブ的仰天殺戮スキルの持ち主で何だか懐かしささえ感じさせてくれるし、加えて素敵な眉毛と軽快なアクションでドMオタクのハートを鷲掴み。
  しかしマーク・ハミルとサミュエルのツーショットはスターウォーズかと思ったわ。

そして、冒頭から積み重ねられた有り得ない展開とブラックな笑いの連続、それら全ての興奮をラストに向けて一気に昇天させる『脳天カラフル花火with威風堂々』のカタルシス。
  誰だこんなこと発案したヤツ!声出して大笑いした!家で良かったよ、ほんと。
音楽に合わせて爆発する様が何ともバカっぽくて、マーク・ストロングの劇中のセリフのとおり最高に楽しい『派手な見世物』でした。
真上からのショットがとても美しかったです♪

  こんな満足感に包まれた映画体験は本当に久しぶり。
  最後になったけど、周囲の重鎮に支えられつつ堂々とした演技を披露した主演のタロン・エガートンが作品の完成度を大きく高めたことは間違いない。
あと、犬とキツネは殺さないけど人間は殺しまくるのか、という批判もあるようだけど、彼が殺してるのは世界中の一般市民を虐殺して自分たちだけ生き残ろうとする奴らであって、更に自分に銃を向けてきてる奴ら(やらなきゃ自分が殺される状況下)なので殺してOK!犬もキツネも無害だもんね♪映画的にちゃんと筋が通ってるので問題無し!!

  最後に、彼の胸の中で上下に揺れるパグのJBの表情が最高にキュートでした♥

  よーし、もう1周いこうか♪