さいらー

キングスマンのさいらーのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
4.6
007、ミッションインポッシブルが公開された2015年のスパイ映画界に殴り込みをかけるかのように登場したスパイアクション作品。

冒頭でいきなり度肝を抜かれ、それ以降も息をも吐かせないストーリー展開とアクションにより、時間が進めば進むほどこの作品に引き込まれていく。

リアル志向へと方向転換した007、それを皮肉るようにこの作品には面白いガジェットが登場する。
アクションシーンはそんなガジェットと流れるようなカメラワーク、スタイリッシュかつ過激な描写とコミカルタッチのエフェクトで、まさに初体験。

アクションシーンだけでなく、物語すらも圧倒的にスタイリッシュ、それでいてコミカルで楽しい。
サミュエル・L・ジャクソン演じる悪党のする事はかなりぶっ飛んでいるしえげつない。仮にこいつをシリアスに描いたらとんでもなく重苦しい作品になるだろう。だがキングスマンは違う。過激な思考や描写にも忘れないコミカルタッチ。
だからと言って楽しいだけの映画ではなく、しっかりとした重みがあるからこそこの映画は私たち観客の心を掴んで離さない。


中年男性から、まだスーツを着た事もないような若い男性の心にまで幅広く、そして深く刺さる見事な作品だ。
この映画を見た後の男性ならばまず間違いなく、上等のスーツと眼鏡をかけて出かけたくなることだろう。
ああ、そして傘も忘れてはいけない。