エソラゴト

キングスマンのエソラゴトのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
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"マナーが、紳士を、作る"


日本語の「背広」の語源とも云われる英国ロンドンのサヴィル・ロウに店を構える高級テーラー「キングスマン」の裏の顔は世界を股にかけるスパイ組織だったー。

劇中で発せられる表題の格言は英国紳士らしい上品な振る舞いや言葉遣い、オーダースーツをビシッと着こなす佇まいを体現。

若きエージェント、エグジーが様々な試練や苦難を乗り越えて晴れてキングスマンの一員になった姿は師でもあるハリーと瓜二つの正に英国紳士。しかし貫禄や着こなしではやはりハリーの方が断然格上。エグジーの着せられた感は何とも微笑ましい。

メガネ+スーツ姿のコリン・ファースは『シングルマン』でも魅了されたが、今作ではその出で立ちで難なく激しいアクションもこなしてしまうのが一番の見所!日本ではバブル期の象徴でもあり印象があまりよろしくないダブっとしたダブルのスーツも細身でスタイリッシュに着こなすと俄然格好良いことを再認識。

アクションシーンのド派手さやグロさ、ブラックなコメディ要素、威風堂々なあのシーン(笑)等それだけでかなり満足なのだが、ただちょっと惜しい所もチラホラ…。

・前半で見せたエグジーの潜在能力でもある運転技術の高さをラストの山場でも見せて欲しかったこと。
・愛犬のJBも折角なんで事件解決の何かの糸口に絡んで欲しかったこと。
・同僚の女性エージェントの活躍があまりにも地味過ぎること…等々、

前半のエピソードが後半の展開にあまり活かされてなかったように思えて少々残念。