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キングスマンのkoyamaxのレビュー・感想・評価

キングスマン(2015年製作の映画)
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世間的なマナーや常識、時には、理解のできない変なものに接することも含めて、世の中の知らない観方、考え方などを知ることができる機会をもつことが、子供にとって重要。そしてそれらは環境や親から受け継がれるもののはずですが、主人公にはそれを教えてくれる模範的な存在がいない。
辛い境遇 心ない言葉に耐え、自分が理不尽な世界にいることにすら気づけない。

そんな一人の子供が身分や宿命、そして過去の自分を乗り越えて成長する。

そのきっかけが、ここに出る少年の場合、キングスマンになることでした。という話。。

表面的には、キングスマンを継承するための試練、スパイと敵対する組織との事象が軸に描かれ、直接的には心の変化は大きく比重を置いては描かれないのですが、展開するサスペンス、そしてそのカットとカットの狭間には、成長するために必要な精神的な問いかけを常に感じることができました。

一方でアクションシーンがキックアス同様、「痛快であり、華麗なアクションて同時に大量虐殺だよね。」
という真実を隠喩でもなく割と直接表現しています。アクションとしては、一番の見せ場でもあるところもアイロニカルです。

血しぶき舞い散るハードな事象、目を背けたい世界の現実。
‌己を乗り越えろ!という強いメッセージ。
からの、、冷静な批評精神。
予想を超える演出とデザイン。

陰と陽+アルファのエッセンス。
三位一体となって展開するので、
本作はスパイアクションでありつつ、味わい方がいくつもあります。


もともとはアクション映画鑑賞というより、どうにもならないチンピラが、紳士になる過程を観たくて鑑賞しました。
「真の気高さとは、過去の自分を超えること。」
それを体現するものが、文芸大作でもヒーロー然ともしていない
「スパイ映画の常識をブッ飛ばす、キレッキレのノンストップ・スパイアクション」であるところが、最高です笑
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