愛したいのに愛せないタランティーノ映画。やはり自分には肌に合わないのだと痛感して映画館を後にした。
キーマンとなる賞金首のジェニファー・ジェイソン・リーは誰よりも血飛沫を浴びながらそれでも尚チャーミングでいて、劇中のファムファタル。極悪犯としての訴求が弱くなぜ彼女が卑劣な目に合うのか?不自然さを感じてしまう。
理屈で無いのは頭で分かっていても、その矛盾や理不尽さを看過出来ず、フラストレーションを感じながら、ひたすら間延びしたような説明的なプロットは苦痛にすら思えた。キャラクター造形と魅力的なセリフ回しとは言えども、一人残らず登場人物はクズ揃い。
そして物の見事に尺が長い。いわゆる密室ミステリーが始まるのも遅く、そして要素が薄い。いわゆる伏線の回収も、まるで取って付けたかのように不自然さが浮きだっていて高揚感も削がれた。
唯一個人的に良かったと思うのは物語の置換的要素を担った途中参加のメンバーか。