しめじゃん

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのしめじゃんのネタバレレビュー・内容・結末

2.5

このレビューはネタバレを含みます


ゴジラ版2012

2012という映画があった。
車→セスナ→旅客機、と規模を大きくしながら、落ちるか!?落ちないか!?ギリギリセーフ!助かった!!みたいな同じようなくだらない描写を何回かやって、そこに陳腐な家族ラヴな描写を入れてハッピーエンドまでどうにか仕立て上げたディザスタームービー。

今作はそれのゴジラ版。
魅せたいシーンがあって(それがカッコいいのは認めるけど)、それらを強引に繋ぎ合わせたらこうなりました、みたいな作品。脚本、シナリオの完成度が低過ぎるというか。テンポが早すぎるのも相まって、随所随所で今誰が何をしているか、何をしたいから今こうして行動しているか等、ピンとこない箇所が得てして少なくない。
それを最も助長しているのが主役家族のゴタゴタ。感情移入の仕方が最後まで分からなかった。ママのぶっ壊れ具合に隠れて印象薄いけど、他二名もちょっといただけない。
他のキャストもまあ…応援したいって気持ちになるのは渡辺謙さんだけかなあ。

まあ彼も強引に

"アメリカの核兵器によって"

"ぶっ殺された"

けど。



冒頭、モスラの幼虫が孵化し意思疎通とるところまではよかった。今作では、小人の代わりにこの母子がモスラとコミュニケーションをとることで、今後山と出てくる怪獣達の闘いに人類のエッセンスを僅かに含ませて、それがその闘いにどう作用するか…みたいな展開になっていくのかなと、ある意味ミスリードをさせられて、勝手に胸熱になっていた。モスラのテーマも流れ、もう涙目になっていた。予想は大きく裏切られたけど。

キングギドラの外来種説、オキシジェンデストロイヤー、ゴジラのテーマ…前作以上にオリジナルを彷彿とさせる要素を多く取り入れ、またゴジラの生体を人類の歴史と織り交ぜて明らかにしていくストーリー等、個人的には楽しめる要素があったことは認める。だけど、それらを持ってしても、今作の悪い部分にはちょっと目を瞑ることはできない。

まあ怪獣が主役の映画だし、キャストのゴタゴタになんか目瞑れと言われてしまったらそれまでなんだけど、いかんせん怪獣達の戦闘動機そのものが人間達である以上、そこがグダグダだとどうしてもチープになっちゃうよー。。

ちょっと残念過ぎて言葉が出ないぞー。ハリウッド版ゴジラには今後期待できそうもないかなあ。
しめじゃん

しめじゃん