小川勝広

ゴジラ キング・オブ・モンスターズの小川勝広のレビュー・感想・評価

3.4
ヴィランのパラダイム変化の予感?

ハリウッドエンタメ映画における登場人物の役割のパラダイム変化と行く末をなんとなく想像してしまった。

多くの場合は

ヒーローVSヴィラン

ヴィランは先住民、日本人、ドイツ人、中国人、異星人と時代に合わせて変わってきた。

常に、ヒーロー側は敵に勇敢に立ち向かう米国人だった。

今後も、ヒーロー側の人間VS悪者側は基本的には変わらないだろう。

ここを曖昧にすると、スッキリ観れるエンタメ映画にならないから。

ただ、本作ではそのヒーローと敵の関係のパラダイム変化の兆し見えた。

理由は

敵は環境保護団体の過激派?急進派?(笑)。

これを極悪非道に描いてなかった。
悪く言うと中途半端。

というのと
昨今のリアルな世界中の国や政府の基本形が悪者になってきた。
というのが理由。

その結果、

環境保護団体、キングギドラ、他の巨大生物、キングコング含めて、正悪の逆転、正邪の在り方が変わるのかもしれない。
(日本では、歌舞伎の実悪色悪他?手塚治虫から始まる?マキノ雅弘から?様々なジャンルのひとくせもふたくせもあるキャラが正邪逆転なんて当たり前のように起きてます、このフォーマットの流出は野茂がイチローが・・おおたにさんが健英が流出するぐらいの一大事です念の為。)

コングと美女、ダークナイトのジョーカー、のような、キングオブモンスターのスーパーバトルロイヤルが続くのであれば追いかけていきたいという期待も出てきた。
が、
しかし、それは、エンタメ映画が、

ディズニーグループ(マーベル、スターウォーズ、ピクサー)、
DCグループ、巨大生物グループのみになり、
なんだか吸収合併されたメガバンクが同じ方向を目指しても立ち行かない昨今の状況と同じような袋小路に入っていくような終わりの始まりを感じてしまった、
と同時に、極小生物、ウィラードの再リメイク、
またはベンの出番が回ってきやしないか、あるいはこんなヴィランの使い方!という淡い期待を持ってしまいました。

※音楽に関しての勝手な推測。
ハリウッド映画のスタッフは一緒に仕事をしたことがありますが、
創作を予算ベースでは話しません。

何ベースで話すの?

全ての映像、キャスト、芝居、音楽、効果音が観客にとって100点満点になるかどうかベースで話します。

その予算を集めればいい、
そんな感じです。(もちろん例外もあります。)

なので、音楽のベストは流行りの音楽か、80年代の音楽か、
オリジナルでフルオケにするか、全ての選択肢をテーブルに乗せたはずです。

そのうえで
IFUKUBE KOSEKI の音楽で行こう!

おそらく、それがベストだと判断したのでしょう。

オマージュ、リスペクトも少しはあるでしょうが、
まずは音楽そのものが素晴らし過ぎる!
という判断をしたのだろうと
勝手に推測しています。

※もうひとつ
KOSEKIは六甲おろしの作曲家でもあります。
♪おーおーおっおーはーんしーんたいがーす・・・