Akiyoshi

ゴジラ キング・オブ・モンスターズのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

4.0
怪獣・神話・宇宙・海底洞窟。日本産まれのゴジラが世界中からロマンによる「尾ヒレ」を付けられ満を持して君臨するキングオブモンスターズ。世界が「彼ら」に何を求め、「彼ら」は何をもたらすのか。様々な怪獣が目覚めたとき、人類が払う代償とは。

ギャレス・エドワーズの「GODZILLA」も日本の「シン・ゴジラ」のゴジラも、どちらともゴジラ視点になってみると「ただ歩いていただけ」、「攻撃されたからやり返しただけ」と防衛本能を持った歩いている生物に思える。人間からしてみたら「歩く災害」であるゴジラが徐々に意思を持っているかのように感じ始め、大切な人の命を奪う巨悪がいつの間にかさらなる巨悪を倒す希望になっていく。ゴジラは、ただ「歩いているだけ」なのかもしれない。人の視点は厄介で「利用する」観点でものを見るとこがある。利用できるなら善、できないなら悪と判断して排除しようとする。だが人の領域ではどうしようもない「彼ら」が現れたとき人は「利用する」観点を捨て、拝むしかない。まさに「神頼み」である。人類の未来がかかった大怪獣の戦争に対し、「利用する」ことを忘れた人たちと同様に私は口をあんぐりしながらゴジラの響く雄叫びや、キングギドラの神々しさを見つめていた。
Akiyoshi

Akiyoshi