Clara

Cake ケーキ 〜悲しみが通り過ぎるまで〜のClaraのレビュー・感想・評価

4.0
ジェニファー・アニストンが彼女のイメージにはない役柄を見事に演じきっていた。新たな一面を観ることができた。かつて"私の中のあなた"でキャメロン・ディアスに驚きを感じた記憶がよみがえる。
残された者の苦しみは十人十色。乗り越えられる人、乗り越えられない人の違いは何か。家族のきずなが深まるケース、家庭が崩壊するケースの違いは何か。その理由はそれまでの生活にあるのか、残された者の性格にあるか。1つとして同じことはないだろう。唯一言えるのは、残された者の人生は続くということ。自分だったらどうなってしまうだろうか。そして、どんなに打ちひしがれてもまた他人を気にかけたりする日がくるもので、それは人間の強さなのか、愚かさなのかと考えてしまう。
また、心の奥底に眠らせていた感情を認めたとき、吐き出したときにようやく前に進めるというのはとても納得。下ごしらえみたいなものなんだよね。それができた後のクレアから見て取れる少し道が開けた様子が、なんともいい雰囲気を醸し出していた。
なぜこのタイトル?と思っていたが、さり気ないけど素敵にラストでその謎も解けた。

個人的には家政婦さんが好き。クレアが彼女をかばったシーンもよかったし、彼女がキレたシーンもよかった。そしてなにより、どんなに腹の立つ雇い主でも見捨てられなくて、傷つきすぎたクレアに寄り添う姿がなんとも優しく温かく印象的だった。

映像のセンスも素敵だった。景色の映し方もそうだけど、お家やインテリアなどの趣味もいい。1番印象的だったのは、名前がわからないのだけど…風鈴みたいに風が吹くと音を奏でるベビーベッドに飾るようなやつ。あれが絶妙だったし、数種類出てきてどれも素敵なデザインで私も欲しくなってしまった。笑
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