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マリリン 7日間の恋のメルのレビュー・感想・評価

マリリン 7日間の恋(2011年製作の映画)
3.8
安っぽい邦題だと敬遠していたがエディ・レッドメイン目当てで鑑賞。
マリリン・モンローがイギリスで映画に出演した時の関係者コリン・クラークによる著作物をベースにした作品。

マリリンとコリンの関係は予想の範囲内だったのでこの際横に置くとして…興味深かったのは、
① 50代に差し掛かった20世紀の名優ローレンス・オリヴィエの焦りと不安。
「若い女優と共演する事で自分も若返ると思ったが、却って自分が老けて見えるだけだ…」と嘆く。

➁ ローレンス・オリヴィエの妻だった「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リーの嫉妬。
40才を過ぎたらスクリーンでは無理がある…と言われながらも若いモンローを賞賛し励ますが、内心は…。

③ モンローの夫だったアーサー・ミラーの苦悩。
精神的に不安を抱えていたモンローに手を焼き仕事が出来ないでいる。作家である彼はモンローとの婚姻期間中一冊も本を出版していない。

④ 「共感しなければ演じられない」と言うモンローに「役者なら技術で演じろ」と言ったオリヴィエだったが、出来上がった作品の中で単に演じるだけでは生まれて来ない天性のオーラを放つマリリン・モンローに脱帽する。

回想録がベースなのでストーリーに起伏はないが、映画製作に携わる多くの人の苦労がよく描かれている。

シェークスピアを生み出した英国のプライドをそのまま体現している様なローレンス・オリヴィエを演じたケネス・ブラナーも良かったし、ウィンザー城やコリンの母校としてエディ・レッドメインも卒業したイートン校が見られたのはラッキー(笑)

アーサー・ミラーも今ではダニエル・デイ・ルイスの義父なんだなぁとひとしきり感心。

マリリンとの関係を暗示する様に絶妙なタイミングで流れるナットキング・コールの「枯葉」のシーンも美しく、TVドラマ「名探偵ポワロ」のジャップ警部も渋いボディーガードで活躍。

そんなこんなで思ったより意外な所で色々な発見があり、何だか感慨深く観てしまった(笑)
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