おとりさん

ババドック 暗闇の魔物のおとりさんのレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
3.5
「ババドック」という不思議なタイトルと、青白い不幸顔ヒロイン(アマプラの紹介フォト)が気になって見たけれど、思わぬ掘出しものでした。

深夜に、怯えて母親を起こす少年。
仕事で疲れていても、子供の希望どおりあちこち見てあげて、絵本を読んであげ寝かしつけるヒロイン。
朝になって、今度は登校の時間なのに、お気に入りのマジシャンの真似に夢中で支度が進まない少年。
叱りつけたいところをぐっとこらえ、子供をいなして出かける、優しい母親。

私には子育ての経験がないけれど、シングルマザーで、こんな落ち着きがない、ひょっとして精神的な問題を抱えてる?、子供を育てるのはあまりにシンドイ状況だと思った。

で、こう思わされたら、すでに監督の術中にハマってるんだと思う。

おかしいのは、少年か?母親か?
それとも本当にお化けがいるのか?
その興味に引っ張られて、最後までガッツリ見ちゃいました。

ホラーというよりは、ダークなファンタジーと評すべき作品。
「パンズ・ラビリンス」や「永遠のこどもたち」と同じカテゴリーだと思う。

ババドックには会いたくないけど、絵本の中のババドック、お洒落なイラストが素敵。

私みたいに、ゆる~く生きてる人間には、縁のないお化けさんですね。