Yuuki

ババドック 暗闇の魔物のYuukiのレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
4.0
一人息子に手がかかって心身ともにボロボロになってるシングルマザーのアメリア。ある日「この本読んで〜や」と持ってきた絵本がどこにあったか分からなかった上に、「ババドックの名前と姿を見たものは逃れられない」って書いてて不気味。案の定その本を読んでからアメリアにババドックの呪いが降りかかってくる…な話

特に下調べもせずにNETFLIXで見かけたから見てみたんだけど、メッチャ完成度が高くて良かったですよ。序盤にでとにかくお母さんの心と体をメッタメタのギッタギタにズタボロにして下地を整えて、ここからが本番とばかりババドックの呪いまで上乗せしてくるという抜け目の無さ。これが恐ろしさを何倍にも増幅させてくれます

ボロボロ具合を詳細に言うと、夫に先立たれて看護師として薄給激務で働きつつ、妹に煙たがられつつ、息子がめちゃくちゃうっとうしくて勝手に武器作ったりして学校で問題児扱いになりつつ、ちょっとムラムラして自慰をしてる途中で息子が部屋にいきなり突撃してきつつ(これが一番うっとうしい)、息子が「見えないものが見える…」とか言いつつ、息子が従姉妹を怪我して険悪になる…などなど。幾層にも重なる不幸とストレスのミルフィーユ!髪型もボッサボサになるぐらい精神的にすり減らされるのに、この時点で始まりに過ぎないところがもう絶望的ですよね

あと、こういう「何か」が出てくるホラー映画って、姿をなかなか表さずに終盤ようやくお披露目…でその姿に拍子抜け、みたいなパターンがよくあるんですが、こちらはババドックのビジュアルを極端に制限しまくった挙げ句、最後までその姿をほぼ出さないところがすごい!!見た人が自由にババドック像を想像できる余地を残す手法はけっこうギャンブル性が高いけど、見事その賭けに勝ったな…という印象でした

期待してなかっただけにその反動で大変おもしろく見れたので、ハードル下げめで見てみましょう
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