shiho

カルマのshihoのレビュー・感想・評価

カルマ(2002年製作の映画)
4.3
子供の頃、映画好きの父がよく映画貸りてきて一緒に観てました。
ただしジャンルはホラーのみ!笑
それも父は下調べもしないで貸りてくるのでクソ映画か発掘良品かは開けてみるまでわからない☆

親子でホラー好きなので父なりのコミュニケーションだったと思うのですが笑。
「これで終わりかよ〜」って2人で言えるものはまだ良かったけど、思いもよらず怖くてトラウマになった作品もいくつか笑。

これがそのうちの一つ。
香港のホラー映画です。
主演の女優さんは堀北真希を素朴にした感じでけっこうかわいい。
雰囲気は『仄暗い水の底から』に似てる気がする。水が多く出てくるし。
撮り方としてはちゃっちいんだけど、Jホラーに慣れてると出方が新鮮でビビります笑。

主人公の女の子は一人暮らしをしていて、変な音を聞いたりという怪奇現象に悩まされていて、
精神科医の元でカウンセリングを受ける。
ある日、アパートの下の階に住んでいる大家さんから妻子を土砂崩れで亡くした話を聞く。
2人の靴が残してあって…笑いながら話す大家さんはどこかおかしい…そんな空気に耐えられなくなり部屋に戻る主人公、と後ろで飯をかっこみ続ける大家さんの後ろ姿が不気味で、重くて、悲しい。

部屋に戻って音楽つけて灯りをつけても震える主人公。
バスルームで蛇口から水滴が滴ってる音が気になる!
狂ったようにペンチで蛇口をキツく締め、更にタオルを巻き巻きしていると…
泥だらけの裸足の足がベチャッと近づいてくる…。
その後泥と共に妻子の顔が出てくる。ギャーーーー!!!
はい、ここ私のトラウマシーンでした笑
今観るとね、わりとシュール。
でも当時の私には怖かったのです笑
夏休みだったので、その夜祖父母の家に泊まりに行き、遅くまで宿題をしたかった私は空き部屋で1人で寝させてもらいました。
そしてこのシーンを思い出して、暗闇の中、目を開けられなくなりました笑。開けたら確実にそこにいる!と笑。
汗だくで固まること数十分?
祖母がトイレに起きる音でやっと電気をつけて眠ることが出来ました…(はい、アホですね笑)

さて、相談を受けた精神科医は、人の恐怖は頭の中で作り出しているものだと考え、主人公の悩みを解決へ導きます。
そして2人は恋仲に。
しかし今度は精神科医の方が、過去のトラウマから幽霊を見るようになり、夢遊病になります。

まぁこの過去の体験も、ストーカーしてくるセーラー服の幽霊も、精神科医の彼に落ち度は全くなくて、いい迷惑だなぁ!って腹たってくるんですけど笑。
(でっかいハサミで手首を切るという斬新な自殺方法をやってのけます。ジャギィッと。バカか。そんなんで死ぬのならせめて一人静かに逝け。これぞ神聖かまってちゃんである。)(安易なグロ見せられて怒ってる)
街の中で、周りの音がなくなって、遠くから彼女が歩いてくるシーンは怖かったです。
いやぁぁぁぁぁ(´;Д;`)


精神科医役のレスリー・チャンは本当に悩める真面目な医者って感じで、頭が良さそうでカッコよかった(こういうニットみたいな服がさらっと似合う人って素敵)けど、実はこの作品が彼の遺作で、鬱で自ら命を絶ってしまったと知り悲しい。そう考えると全てが演技ではなかったのかもしれない…。
名優を失ったものだ。
どうか彼の魂が安らかであることを願います。

これは香港ホラーだけど、韓国ホラーも含めて、重々しく物悲しい過去や社会性からくる心の内側の闇・トラウマを扱うものが多くて見応えがあるなぁ。
これは映像自体が上質。
雰囲気よ!ホラーは出るまでのこの雰囲気も大事なのよ!

後半の幽霊さんは好き嫌い別れると思うけど、私はむしろそのチープさが怖くて印象に残りました。

最後は救いのある終わり方だった、はず。

最近のJホラーにがっかりしている人、ハリウッド系のやたらグロめに殺しとけばいい!グロ=ホラーは好きになれない人などに、オススメ出来ます♫

あ〜また面白いアジアンホラー観たいな〜っと(*´∀`)
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