真世紀

25 NIJYU-GOの真世紀のレビュー・感想・評価

25 NIJYU-GO(2014年製作の映画)
4.0
東映Vシネマ25周年記念作ということで、現金25億円を悪党25人が奪い合うお話。シンプルでわかりやすい設定であります。

前置きとして書いとくと、Vシネマ(東映以外からのリリース含む総称として)、やはり、出始めた時には偏見持ってたのは事実(谷岡雅樹さんの熱量高い『Vシネ魂』など一連の仕事に触れ、こんなジャンル、作品有るんだ、俳優さんいるんだと目開かされた影響は大きい)。三池監督作品やVシネ版「呪怨」など面白い作品とも出会ったし、熱烈にはまってはいないけど、ちょこちょこと評判が耳に入るのをつまみ食い的に観て並走というのが自分のVシネとのスタンス。

厚労省の官僚、温水洋一が横領した金60億円で女遊び三昧。発覚後、残りの25億円で国外逃亡を狙う。悪女の高岡早紀が話をつけようとしたのが小沢仁志が組長の暴力団(弟・小沢和義も幹部でいる)。もちろん、そんなネギカモの金を全部頂き、海外の大物との麻薬取引にぶちこもうとする。

「ネオチンピラ鉄砲玉ぴゅ~」以来のVシネの顔・哀川翔演じるは相棒の寺島進とぼったくり店の売上金を見逃す代わりに懐に入れちゃう悪徳刑事。捜査したロシアンパブの売上金250万円を横領していたのがばれて大杉漣署長の事件化させぬ配慮で翌日までに返せと命じられる。たまたま温水を車ではねたことで渡りに船と身柄をおさえてしまう。

さらに哀川に配下の店を荒らされた井上正大(目をひんむきまくり、気弱な発言の仲間は金属バットで即ボコッて制裁、初めはディケイドの彼とは気づかなんだ程)率いる半ぐれ集団・武蔵連合も話を聞きつけ参戦。全身黒づくめの防弾アーマーフルフェイスヘルメットの謎の殺し屋も温水を狙い、無差別襲撃。

そしてチャイニーズマフィアの大物として登場するのが竹中直人。人種設定こそ異なれ、「カルロス」まんまじゃん!こんな悪人の皆様方が金への欲望でアグレッシブに殺し合い。廃工場の大銃撃戦まで致死率高い争いを繰り広げる。

本当に屋台のラーメン屋までも万札渡したのに「千円でしたよ」と堂々とお釣りだますぐらいに出てくるのは悪人ばかり(笑)。

Vシネ、長く見てるとかつての邦画各社プログラムピクチャーや香港映画みたいになじみの顔が増えてくるのも楽しみの一つ。石橋蓮司、本宮泰風など出てくると安心感みたいなものまで覚えるよ。

ただ、Vシネオールスターキャストなら、やっぱ竹内力や白竜もカメオでいいから、顔見せてほしかったなぁ、たとえば菅田俊の役を竹内にして、菅田にはもっと出番をとか、松田勝も見たかったなぁとか思いつつ、浪岡一喜がいい役についてたのが嬉しかったりする。あと半グレ井上の情婦キャバ嬢役・岩佐真悠子は濡れ場で乳ぐらいきちんと全部見せても罰はあたらないと思うぞ(爆)。

映画の日公開初日で観る。ともあれ、お祭り騒ぎをしかけてくれたのに、素直にのって楽しんだ。そして、大画面で観る小沢仁志の顔はやっぱいつも以上に迫力有るよ。
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