かわさき

白夜のタンゴのかわさきのレビュー・感想・評価

白夜のタンゴ(2013年製作の映画)
3.8

 最近、「カルチャー」という言葉を真面目に考えるようになった。音楽(主に洋楽を扱う)系のメディアで記事を書いていると、如何にして向こうの文化を日本風に噛み砕くかというところで大変苦戦する。今までに日本へ輸入された音楽は、どこか形を歪められ、形容し難い気持ち悪さをまとっている。いやまぁ、それが「日本風」であると言われればそれまでだが。

 で、この映画はその「カルチャー」を考える上でとても参考になった。アルゼンチンとフィンランド、文化も国民性も全く違う二つの国で、等しくタンゴが愛されている。ただし、やはり「タンゴ」の中身は若干違っていて、アルゼンチン人から見ると、フィンランドのタンゴは別物に見えるらしい。最初は奇異の目で見ていたが、やがてその眼差しには敬意が宿る。

 この態度が、日本ではあまり見られない。「カルチャー」を輸入するということは、何か姿形がある物を日本に持って来るのとはワケが違う。最も大事なのは、金やその他の資本ではなく、それを理解しようとする心だ。

 日本のメディアが最も急ぐべきことは、この映画に出てくるアルゼンチン人のような人材の育成にあるのではなかろうか。

 ・・・例えば私のような!