2013年にインドで公開され、大ヒットした本作品には状況に応じて変形する“進化形”のオートバイが登場する。
本作品の楽しさは、このオートバイがシカゴ市内で繰り広げるカーチェイスや、主人公が主催しているサーカスでの華麗でワクワク感のあるシーン、そしてインド映画では必須の歌とダンスシーンもあり、様々なエンターテインメントがてんこ盛りになっているところにある。
主人公サーヒルを演じるのは「きっと、うまくいく」のアーミル・カーン。
彼は映画で繰り広げられるサーカスのシーン、そしてカーチェイスのシーン等、アクロバティックなアクションを殆ど吹き替えなしで演じている。
エンターテインメントに満ちた映画だが、展開されるのは主人公の復讐劇。
彼の復讐のターゲットになるのは、幼い頃に父を破滅に追い込んだ銀行。
銀行への復讐劇というと「半沢直樹」を思い出すが、彼の復讐の仕方はダイナミックで派手だ。
この復讐に燃える主人公の複雑なキャラクターを、状況に応じて演じ分けているアーミル・カーンはやはり流石。
そして主人公の相手役を演じたカトリーナ・カイフのセクシーで切れの良いダンスと歌にも魅了された。
近年「インド映画」という一つのレッテルを拭払する作品が増えてきたが、本作はそういったインド映画の多様性を担う“進化形”の一つだと思う。
