Donatello

君が生きた証のDonatelloのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.5
いつも何かしらの映画を映してベッドに入る僕において、なんとなく何度も観てしまう映画にトラボルタさん主演の『シビル・アクション』なんかがある訳ですが、何が良いってウィリアム・H・メイシーさんの銀行で嘆くシーンが大好きなんですよ。ついつい観ながら寝ちゃうんですよ。「アンタ最高だよ、メイシーくしゃおじさん…ムニャムニャ」という感じで。

そんな確かに個性派のメイシーさんではありますがよもやこんな作品を撮る人だとは思いませんでしたね。

「大学での銃乱射事件で息子を失った父親」という(最早同情しかない状況)設定に今回ワタクシ見事に嵌められまして。
まぁぐうの音も出ませんでしたよ。

主演にビリー・クラダップさんを据えるという斬新な配役。
整った顔立ち故、割とスマートな役柄の多い方ですが、『スリーパーズ』でのロン・エルダードさんとのチンピラバディは、『パルプフィクション』の2人の次ぐらいに良いと僕の中で絶賛故、髭を蓄え、船から立ち小便をする姿に思わず悶絶しました嘘です。

息子を失った現実を受け入れて新たな人生を歩み出す妻とは真逆の、現実を受け入れられず逃げ続け妻の提案すら拒否するその夫、という現実的で生々しく難しい役柄を、本当にそれらしく演じていて少々感動。

そしてなにより、中盤の「嗚呼!そういう事かっ!」という、そこに至るまでのシーン各所で抱いていた違和感を全て解き明かすあの場面展開は、『つぐない』の映写室でミスでもしたのかと思ってツッコミ入れそうになるあの展開には及ばないながら、それでも本当にサラッとお見事。

今後もきっと面白い作品を作ってくれるんじゃないかと期待。

ただメイシーさん、せめて自分の監督作品ぐらいはショボい役やめましょうよ、と伝えたい。