このレビューはネタバレを含みます
「被害者の父の苦悩」ではなく「加害者の父の苦悩」を描いた作品。巧みなミスリードで、前半は「被害者の父」だと思い、感情移入する。しかし、実は「加害者の父」だと徐々に分かってくると、今まで子どもを亡くしたかわいそうな父を応援していた気持ちが揺らぐ。
ラストシーンでは「僕の息子は人を6人殺しました。その息子が作った歌です。」と明かしてから演奏。場は凍りつく。歌い終えても拍手はない。今までの盛り上がりとは対照的な場の雰囲気。
被害者のことを考えると感動なんてする方が無理だと思ってしまったが、最後の歌には訴えるものがあり、複雑な涙が流れた。いつまでも心に残っている作品。