すず

君が生きた証のすずのレビュー・感想・評価

君が生きた証(2014年製作の映画)
4.0
それでも君は僕の息子。

銃乱射事件で息子を失い、人目を避けるように生きていたサム。
別れた妻から息子の遺品を受け取ると、その中に大量のデモテープが。
それを聴いたサムは少しでも息子に近付こうと、バーのステージで息子の遺した歌を歌う。
するとその演奏を聴いていた1人の青年に声をかけられ…

あれっ?どんでん返し系なのか?
どこまで話すとネタバレになるんだ?
細心の注意を払ってレビューしますね!
息子を失い、仕事も妻も家も全て失ったサム。
何となく生きているような毎日を送る彼を救ったのは音楽だった。
自分の影響で音楽を始めた、今は亡き息子が作った曲。
その曲に魅了されたのが、息子と歳が近いであろうクエンティン。
彼に息子を重ねていたんでしょう(´;ω;`)
2人はバンドを結成するんだけど、息子が作った曲だという事は明かさず、その曲で瞬く間に人気バンドになるんです。
だけど大きなイベントからの誘いに乗り気じゃないサム。
そんなサムを説得するバンドメンバー。
しかしサムにはどうしてもイベントに出られない理由があって(´•ω•`)






⚠︎ネタバレ注意⚠︎












ああああああああ!
そうだったの?そっちだったの?
サムの息子は銃乱射事件の被害者ではなく、加害者だったんですね(´•ω•`)
だから人目を避けた生活をして、大勢の前では歌わず、息子の作った曲だという事も隠していたんだ。
たくさんの命を奪った息子。
それでも自分の大切な息子。
うわあ…何とも言えない…
楽器屋のおっちゃんとの車内での会話、本当に重くて苦しくて。
ずっと現実から目をそらしていたサムが、あの事件以来初めて足を踏み入れたであろう大学の敷地内。
慰霊碑を見て泣き崩れるサムの姿がもうね。
サムの置かれた状況は、仕方ないっちゃ仕方ないと思うのね。
息子のした事は許される事ではないし。
それを誰より一番分かっているから、今まで現実と向き合えなかった。
だけどバンドを通して、サムの中で何かが変わっていた。
ラストのサムのステージは、息子を大切に思う父親そのものだった。

君が生きた証の「君」に、アントン・イェルチンを重ねてしまう…(´;ω;`)
すず

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