このレビューはネタバレを含みます
音楽映画が観たくて、旦那が軽い気持ちで借りてきた今作。想像してたのと違った…心を揺さぶらる作品…。ネタバレマークはは極力使いたくないけど、そうしないとこの心に残った想いを書けない。
被害者の遺族と加害者の遺族。
どちらが辛いかなんて、不謹慎で言うことも憚れるが、それを考えずにはいられない作品。
子供を失うという意味では、両者は同じはずなのに。
被害者の遺族の苦しみは計り知れない。理不尽に、ある日突然、子供を失うんだから。悲しみ、苦しみ、怒り。想像しただけで、全身の血の気が引く感覚。
でも加害者の遺族は?子供を失ったことを悲しむことも許されないのでは?
他人の命を奪った償うことのできない重み、息子がそこまでに至る心情や置かれた状況に気づけなかった親としての責任と後悔、自分の子供が善良でなく、人を傷つけることを厭わない存在だったと知ったときの絶望。苦しみや怒りの矛先は全て自分自身へ向かう、逃れることのない重圧…。
息子のお墓を掃除する場面…もう耐えられませんでした…。
最後は苦しい…。音楽の素晴らしさに反して、昇華されない想いが募ります。
2人の息子を持つ親として感想書きました。不謹慎な発言があったら申し訳ありません。
私自身の話、子供のお迎えに行って先生から「今日〇〇君と喧嘩して…」と話が始まるとドキッとします。まさか誰かを傷つけたのでは?と。正直な話、「誰かに傷つけられた」と聞くよりも「誰かを傷つけた」と聞く方が怖いです。軽度な怪我の話だから全く別物の話で、比較になりませんが。根源的な想い。
結果、チープな感想になりますが、子育て頑張ろうって戒めになりました。