ゆっきー

侵入者のゆっきーのレビュー・感想・評価

侵入者(2004年製作の映画)
3.5
冒頭の殺人シーンを置いとくと、心臓移植をした主人公が息子を探すってだけの話なんだが、異様に不穏な空気が漂っている。
(開放的な南の島に行くのにも関わらず)
死神のようなカテリーナ・ゴルベワの使い方は完璧に正しい。
ドニは全体のショットをあまり撮らずに、基本、俳優を接写する。人物同士の距離感を撮らない。画面にも複数の人物をあまり同時に配置しない。そのため、クレール・ドニの映画にはとりわけ、人物がふらっと画面にあらわれふらっと消えていく感触がある。そこからくる自分と他者の関係の不確かさのような独特の感覚がこの映画では特に際立っている。
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