ゴシちゃん

駆込み女と駆出し男のゴシちゃんのレビュー・感想・評価

駆込み女と駆出し男(2015年製作の映画)
4.2
江戸時代、幕府公認の女性駆け込み寺と、駆け込んでくる女達を聞き取り調査する御用宿を舞台にしたドラマ
「日本のいちばん長い日」「関ヶ原」の原田眞人監督の初の時代劇 2015年作品
原田監督らしいというか、「関ヶ原」と同じように早口のセリフが多くあり聞き取り難く、今回Netflicで観ていましたのですぐ字幕を出す事にしました(笑)

まずこの作品、予想以上に素晴らしかった。
映像の構図、人物の配置、重厚な音楽、映像の影と光、動きの途中にカットを切り替える編集方法は,巨匠黒澤明や小林正樹の重厚な時代劇を観ているよう。タイトルバックや日本の四季を彩る色彩は市川崑でしょうか。

さらに、女優陣の見事なこと
樹木希林さん 流石の貫録
キムラ緑子さん 大泉洋との圧倒されるほどの掛け合いにキムラ緑子という名前をはじめて知りました(笑)
戸田恵梨香さん 彼女の演技に泣かされるとは思いませんでした。素晴らしかった。 クライマックス 走る彼女のなんと頼もしい事!!

ただ残念な点としては、いろいろな話しを詰め込みすぎてせっかくのエピソードが消化不良で終わってしまう事でしょうか
お寺の御取りつぶしも、盛り上がりそうで意外とアッサリしています。
また、決まり事やしきたりを越えたところで女の幸せを見つめる駆け込み寺の女住職。キャラクターとしてとても面白く興味深いと思いましたが、これもアッサリ終わってしまい少しもったいなく感じました。

でも2時間半 しっかり楽しませていただきました。
何度も観たくなる私の好きな映画、傑作です。
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