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スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方の2MOのレビュー・感想・評価

4.2
生まれた瞬間から知り合いで、幼少期から思春期が過ぎる頃まで秘密の持ちようのないくらいずっと一緒で。同じ時代を同じような年齢で、同じ歌を歌って生きていく。
父や母とは、遅かれ早かれ別れの日がスケジューリングされていて、子が大きくなれば親は老いて。実質、一緒に楽しんだり悩んだりを共有できる時間なんてそう長くないものだ。
ゆりかごのスタートラインから、もしかしたら墓場のゴールテープ近くまで、共に人生を歩むことができるかもしれない存在。
親友や恋人、夫婦といった関係性ではどうしても抜け落ちてしまう記憶のピースを分け合う唯一の存在。
一人と一人が出会って始まる関係性とは決定的に違う。出会っている状態から全てが始まった、兄弟姉妹のこと。

どこかで二つで一つの姉弟たち。もし片割れに何かあれば、胸はざわめき、半身が疼く。スピリチュアルな云々の話でもなんでもなく。生まれてこの方、自分の中で常に存在していた人物をこれからも当然のように案ずる者には、無論、虫の知らせは届くべきこと。
たとえしばらく疎遠であったとしても、世界の何処かに分身がいる感覚は消えるものではない。

‘共に夢を築いて永遠に強く生きるの
もう何も私たちを止められない
世界中の恋人が別れても 私たちは一緒
何があっても一緒にいるよ’
「愛はとまらない」

“凶悪コンビ”の名のもとに。幸か不幸か、この絆は生涯にわたる約束なのだ。

だから、どうか私を置いていかないで。
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