OASIS

スケルトン・ツインズ 幸せな人生のはじめ方のOASISのレビュー・感想・評価

3.3
離ればなれで暮らしていた双子の姉弟が、同じ日に自殺未遂をした事によって10年振りに再会を果たすという話。

クリステン・ウィグとビル・ヘイダー共演のドラマ。
ビル・ヘイダーのゲイ役が堂に入り過ぎていてほんとにそっちの人なのかと疑ってしまう。

恋人と別れた日に自殺を決意した弟マイロ。
そして、偶然彼と同じ日に同じく自殺を考えていた二卵性双生児の姉マギー。
双子の間にあるというテレパシーは必ずしも良い出来事だけを伝えるとは限らず、不幸な出来事であっても同じように共有するらしい。
嬉しい時、楽しい時、どちらかの命が危機に曝された時。
直ぐそばに居ない時でも心でお互いの存在を確認出来るという関係は羨ましい。

何とか一命を取り留めたマイロは、マギーの家で彼女の恋人ランスと共に暮らし始める。
ランスはとにかく明るくて、その嫌味の無い明るさが心の傷が治りかけなマイロにとっては消毒薬のように染みて居心地が悪くなり...。
マイロは昔の恋人の元を訪ねて復縁を迫り、マギーはダイビング教室のインストラクターに迫られて関係を持ってしまう。
お互い秘密を隠し持ちながらもその行動はやはり似た者同士で、それは頭で考えずとも体が勝手に動いてしまうというように本能から来るものだろう。
マイロは諦めの念がある分まだ擁護出来るが、マギーの貞操観念のユルユルさは相当頭を悩ますレベルなのが双子でも男と女は違うという事を表すにしてもかなり強烈である。

映画の前半は画面の明るさも手伝ってかなり爽やかな雰囲気で進んでいくが、マギーのお遊びが深刻化して行くに連れて画面もブルーやグレーに覆われて行く。
マギーの恋人ランスの明るい振る舞いがそのシリアスさを和らげる反面、何も知らない彼の純朴さが心を苦しくさせる。
双子の弟姉のキャラクターよりもランスの方に感情移入してしまうように出来ているのかなとは思うが、この板挟み状態というか針の筵状態だけは経験したくないなと強く思うのだった。

いくつになってもオナラのモノマネで爆笑し合えるとか、お互い本気でダンスを踊り合えるとか、そんな関係は憧れであり出来ればそんな人が欲しいが、お互いの秘密だけは知らない方が幸せかもしれないと思う映画だった。
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