自分の置かれてる現実に何かが違うと感じ、人生の変化を求めてラクダでの砂漠横断に愛犬と共に挑戦する主人公。
その手の事を思いつく人は割といるが、いざ実行する人は一握りにも満たない。
しかもこの主人公はラクダを手に入れるために何ヵ月もラクダ農場で働く。
この辺りから単なる思いつきではない、彼女の決意の強さを感じる。
それだけにこの主人公、とても頑固で意地っ張り。
自分が元いた世界からの干渉を極度に嫌う、資金を出してくれているナショナルジオグラフィックの記者が定期的に写真を取りに来る事すらも嫌う。
しかし、唯一元の世界から連れてきた愛犬が心の支えである。
正直、話の9割くらいを占める「私だけでやるのよ、元いた世界の奴らは関わらないで!わかってないのよ!」な彼女はあまり良い印象ではなかった。
気持ちはわからなくはないけれど。
しかしラスト1割の、長い旅を経た彼女は、旅の終着点であるインド洋のような清々しさであった。
彼女の心境を現す意味や旅の過酷さを現すためかはわからないが、砂漠の場面をあまりにも美しく撮りすぎてなかったのもラストを印象的にしている。