ベビーパウダー山崎

ブリザード 凍える秘密のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

ブリザード 凍える秘密(2014年製作の映画)
3.5
キャラクターそれぞれに個性があって人物が多面的に描かれていて不穏な物語が美しく流れていく。やっぱりグレッグ・荒木師匠の映画は良い。どこかで全作品特集上映して欲しい。ラストは荒木師匠ならではのオチ。終盤の暴力と狂気、普通の人がごく普通に一線を越えてしまう恐ろしさ。
母親が消えた事件が核ではなく母と娘の業について、それがウェットにならずに淡々と娘もひとりの「個」として描いているのがさすが。端から家族は崩壊していて、私は私の道を進むが、それでも親と子の関係は呪いのように心に巣食い続ける。大人に媚びず、若者と同じ目線で映画を撮り続けてきた作家にしかできない確かな表現。捻れた青春映画。