河豚川ポンズ

ドクター・ストレンジの河豚川ポンズのレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
4.0
何でもありなアメコミヒーローの典型のような映画。
まさにスーパーマンのためのドゥームズデイ、サノスのためのドクターストレンジと言わんばかりの個性激強キャラですが、いざ観てみたら思った以上に普通にアメコミヒーローしてました。
観に行ったのは試写会なので少し前ですが公開したので書いておきます。

ニューヨークで神経外科医として働くDr.スティーブン・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は天才的な手術の才能と技術を持っていた。
しかし性格は傲慢そのもので自分で手術する患者は自分で選ぶという高飛車ぶりだった。
ところが突然交通事故に遭い、手がまともに動かなくなってしまう。
神経外科医としてのアイデンティティを奪われ途方に暮れてしまうストレンジ。
様々な治療法を探し求め、無一文寸前になって藁にも縋る思いでようやくたどり着いたのは、どんな怪我でも治せる術を持つエンシェント・ワン(ティルダ・スウィントン)という人物の名前とカーマ・タージというネパールの寺院だった。

アメコミ映画には珍しい魔法キャラかつ師匠ポジあり。
そうかと思えば闘い方は魔法で肉弾戦という脳みそ空っぽアクションファン勢にも優しい映画でした。
エンシェントワンの扇での闘いやストレンジの魔法展開などとにかく心の奥底の少年の心を揺さぶるような演出の宝庫で楽しかったです。
特に、ちゃっかりカエシリウスの手下として出ている我らがスコット・アドキンス、そして彼が繰り出す動きのよくわからない強烈ないつもの蹴りには感動すら覚えてしまいました。

ストーリーは特に特別良くもなく悪くもなく、アントマン観たときみたいな気分でした。
入門としては入りやすい映画なんでしょうが、さすがにシビルウォーという前作があるので超えるとなると大変ですね。
ただ、最後に彼が出てきたのは由緒正しき原作コミック踏襲として笑えるいいシーンですね。
何より2人の会話を見てて意外と親和性が高そうな感じがして今後が楽しみに思えました。

ですが、ここまで褒めておいてなのですが、本編最後がどうしても物足りなく感じてしまいます。
どうせ出るんだろうなというのは分かってたんですけど、あそこまでガッツリ出てきてそれは…みたいな気分になってしまいました。
まあソーサラー・スプリームなり立てでいきなりサノス対決のキーキャラにならざるを得ないのだから、むしろこれからの展開に期待ですね。

そういえば映画雑誌を読んでて知ったのですが、昔にもドクターストレンジ実写化があったんですね。
スーパーガールとか卐帝国の野望とか昔の映画業界の方がフットワークやたら軽いですね…