ふき

ドクター・ストレンジのふきのレビュー・感想・評価

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)
4.0
取り急ぎ感想。

ドクター・ストレンジのオリジンということで、コミックのような超越者的な側面ではなく、傲慢でプライドの高い人間的な面が全面的に押し出されていて、キャラクターとしては端的に言って最高。傲慢と言ってもトニー・スタークとはまったく違うタイプで、『アイアンマン』の成功の縮小再生産になっていないのもよし。
チートとも言われる魔法の行使も、確かにチートではあるのだが、MCUの範疇ではちゃんと“現実的な”範囲だ。次回作で他のキャラとバランスがとれるように考えて終わっているので、「このままじゃキャップがドンドン弱くなるじゃねーか!」的な心配はしなくてよし。
魔法を使ったアクションシーンは、壮大なCGカットも近接戦闘も凄まじくはあるのだが、一昔前に流行った「カット割りすぎアップ過ぎで何がなにやら」が多く、大画面では疲れてしまった。まず劇場で見てクラクラさせられた後に、テレビ画面でじっくり見るのがいいかもしれない。

ただ、よかったのは間違いないが、映画作品としての完成度は、満点とは言い難い。MCUの初期単独作品に多かった「全体的にはよかったんだけど! あと二〇分長ければ! あと五〇〇〇万ドル予算が多ければ! いやでもあそこは根本的にちょっと……!」と言いたくなる出来だ。この辺りはコメンタリーやインタビューをもっと調べて、ほとぼりが冷めた頃に詳述したい。

しかしまあ、MCU的にはこれは真理だろう。
「早くトニーと絡んでくれ、ストレンジさん!」
トニーがどの方向から攻めるのか、そしてそれにスティーヴンがどう返すのか、とすでにカップリング脳の活性化が止められない。いや性格的にはソーとの相性もよさそうだし、意外とピーター辺りも……。
でも来年までお預けなのか……。
ふき

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