みきてー

名もなき塀の中の王のみきてーのレビュー・感想・評価

名もなき塀の中の王(2013年製作の映画)
3.7
生き別れた父親とその息子が同じ刑務所に入れられて…という話。評判に違わず、良い感じの監獄映画でした。

原題「STARRED UP」は未成年の服役囚が、成年刑務所にランクラップ?する時の用語だそうです。かなりいいネーミングだと思うので邦題の意味はよく分からなかったなぁ。各々の尊大&利己的態度が“王”っぽいってことでしょうか?

オコンネル君とっても良かったです。「ブロンソン」を思い出させるとてつもないバイオレンスを携えつつも、手負いの獣のように哀愁と自暴自棄な佇まいが同居している、なかなか深みのある主人公でした。無修正フルチンも大層ご立派。その心意気に役者魂を感じます。

デヴィット・マッケンジーは「何かしらの枷がある中での愛」が作品の主題なのだと解釈しました。
「猟人日記」では死体の存在という枷。
「パーフェクト・センス」では五感を奪われるという枷。
今作では舞台の刑務所そのものが大きな制約となっています。その中で愛というにはいびつ過ぎる暴力を介在した親子の関係がなんとも切ない。

余韻のあるラストシーンも素敵。