映画史に残る日活ロマンポルノ裁判で槍玉に挙げられた1本として知られている作品ではある。初監督ということもあり、ロマンポルノという枠の中に自らの作家性を託そうとしたのは分かる。しかし、それが上手くいっていない。凝った2時間ドラマに見えてしまうのだ。おそらくは、意識して入れた濡れ場の入れ方が上手くいっておらず、話を邪魔しているのではないのか。
ロマンポルノという場を与えられ、自らの映画を撮ろうとしたのは分かるが、不幸にも見せしめとして摘発される。山口監督は、あと2本監督して消えていった。摘発されていなければどうなったのか。ifは禁物なれど、つい想像してしまう。