はま

博士と彼女のセオリーのはまのレビュー・感想・評価

博士と彼女のセオリー(2014年製作の映画)
3.7

私のイチオシ「イミテーション・ゲーム」と散々比較されていたイメージですが、作品としてのクオリティは断然「イミテーション・ゲーム」の方が高かったかのように思います。

スティーブンが病に倒れてからは思ったよりも単調で退屈してしまいましたし、ジェーンとの関係の変化がひたすらに苦しく思えて見てられなかったです。

ジョナサンやエレインが現れたことによって生まれる二人の微妙な距離感も、あそこまで露骨に描く必要はあったのか疑問です。綺麗事で済まされない現実なのは承知してますが、もう少し控えめの方が複雑で繊細な二人の心情の表現として適切だったような気がします。


とは言え、エディ・レッドメインとフェリシティ・ジョーンズの演技は本当に素晴らしかったです。

エディについてはとやかく述べる方が野暮な気もしますが、フェリシティ・ジョーンズの彼女から妻となり、母となり、そして最後の英国女王との謁見のシーンでの「相棒」、いやまるで「共犯者」のような凛々しい表情など、一連の変化が凄まじかったです。

二人が別れを決断する場面でジェーンが「最良を尽くしたのよ」と言いますが、本当にこの一言に尽きます。確かに愛し合っていたし、お互いにベストを尽くした。けれども「時間」と共に変わっていってしまうこと、そしてそれにより一緒に居ることが叶わないというのは、他の誰よりも二人が悲しかっただろうと思います。だからこそ二人の決断はベストであったはず。


最後に話はちょっと変わりますが、宇宙を研究する物理学者と、神を信じる言語学専攻の女子大生が恋に落ちるというのはなんともロマンチックに思えました。なぜなら宗教とは世界と自分の関わり方、つまり宇宙論でもあるから。一見正反対に思える二人が、角度は違えど実は同じ答えを目指し、理解し合っていくんですよね。

「時間」が過ぎていくことは悲しいけれど、素晴らしい過去が確かにあったと思えれば、二人のように悲しみも別れも受け入れていけるのかもしれません。