こけとーこ

ストレイト・アウタ・コンプトンのこけとーこのレビュー・感想・評価

4.5
これは大傑作だった…。伝説のヒップホップ・グループN.W.A.の伝記映画なんだけど、成功と波乱の音楽活動をただ単になぞるのではなく、築き上げた歴史と彼らの心情に丁寧に寄り添い、ドライな質感に血の通った人間ドラマが自然と一体化してて、観ている自分が、まるでN.W.A.の生き証人になったかのようなリアルさが息づいてた。
彼らがどんな扱いを受け、どんな想いにまみれたか、包み隠さずぶつけたリリックは言葉だけを追うと過激だけど、ひとたび曲にのせて歌いだすと、そこに込められた怒りの感情がクッキリと浮かび上がり、これまでに味わった行き場のない叫びとなった歌は聴いていて思わず涙がこぼれた。改めてリリックは、それを紡ぐ人の実体験から来ているのだということを痛感させられた…。

ちなみに私は洋楽好きだけど正直ヒップホップはそんなに聞かないし、ドクター・ドレーはヘッドフォン、アイス・キューブは映画に出てたよね?くらいの知識で、彼らの音楽に詳しくないN.W.A.初心者マークです。そんな特別な思い入れのない私でも、ここまで胸を打たれる作品に仕上がってるのは、音楽業界の華やかさと暴力性を正面から見据えているのもあるのかな…。