OASIS

ストレイト・アウタ・コンプトンのOASISのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

西海岸が生んだヒップホップグループ「N.W.A.」のグループ結成から解散、そして再結成を果たす物語を描いた伝記映画。
監督は「交渉人」等のF・ゲイリー・グレイ。

大阪生まれアニソン育ち、オタクそうなやつは大体友達な全くの門外漢だけど観た。
今や俳優としてアクション、コメディ問わず活躍するアイス・キューブが所属していたグループの実話を基にした作品。
コメディ映画で観る事の多い彼だが、その生い立ちやらを知ってしまうと「アイス・キューブ先輩、舐めててサーセンでした」となってしまう映画だった。
これまで仏頂面から放たれるギャップで数々の笑いを提供してくれたが、今後はその顔を見るとガクブルしてしまいそうだ。

舞台は、1986年のアメリカはカリフォルニア州コンプトン。
前半は、何時争い事や抗争が勃発してもおかしくは無い彼らの住む街の恐怖を生々しく活写し、同時に、暴力では無く言葉を武器に理不尽な権力に立ち向かって行く成り上がりものとして描かれる。
シェイクハンドの代わりに銃を突き付けたり、何の気無しに街中を歩いてるだけで警官に羽交い締めされたりと、「バイオレンス色強めのジャージー・ボーイズ」を観ている様な感覚だった。
合間合間で流れる音楽も、ギャングスタらしく肩で風を切る威風堂々とした存在感で盛り上げてくれる。

段階的なセールスの成功と頂点を極めた先に待っているのは、権利関係や身内の問題等でグループ内に亀裂が生じてギスギスし出すという定番の展開。
時代が時代、生い立ちが生い立ちだけにちょっとやそっとの事では片付かない問題ばかりで、実話モノだけにメンバーそれぞれに何が起こったのかという事は承知の事実だとしても「良くあれだけの事があって再結成出来たな」という印象だった。

リリックが生まれ、そしてドラマが生まれ、それを音楽が繋ぎ合わせまたドラマが生まれて行くという、音楽によって映画が展開していく部分も音楽映画としては申し分無しで、もちろん彼らの楽曲を知っている人ならそれは場面場面で気分が盛り上がる事間違い無しなんだろうなと思った。
歌詞が彼らの生まれた環境に根差し、また、自らに降りかかった不幸すらも歌と詞に変えて作品として世に送り出すという言葉を紡ぐ事を生業とする者達の熱さみたいなものも伝わって来た。

アイス・キューブ役を実の息子であるオシェア・ジャクソン・Jr.が演じているとの事だが、青年期はまだ少し面影があるくらいとしても後半になると本当に瓜二つで、そりゃもちろんそうなるんだろうけども何だか笑ってしまった。