円柱野郎

ストレイト・アウタ・コンプトンの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

N.W.A.の事はあまり知らないので、予備知識なしにこの映画を観て大丈夫だろうかなどと不安もあったのだけど、観てみるとそんな心配は無用だった。
カリフォルニア州コンプトンのストリート・ギャングが闊歩する街で生まれたヒップホップ・グループ。
彼らの生みだすラップはその生活から生まれた生の声、怒り、生き様であることがとてもよく分かった。
だからこそそのラップに込められたエネルギーが伝搬し、観客も熱狂するのだろう。
映画の前半で描かれる「ファック・ザ・ポリス」絡みの話には、通奏低音の様な警官の横暴への怒りの力強さでグイグイと引き込まれるね。

一方で後半になるとグループ内の不協和音が話の中心になってきて、前半と比べるとどうしても少し失速気味に感じるかな。
アイス・キューブの離脱、ドクター・ドレーの離脱。
体よくグループを食い物にしていたジェリー・ヘラーやシュグ・ナイトとの離反など、金絡みのドロドロした話で前半の熱量はどこかに行ってしまった。
それでもそれがN.W.A.メンバーの歴史としては描くべき事実なのだろう。

麻薬の売人からスターとなり、最期はエイズで31歳で亡くなったイージー・E。
果たせなかった再結成の夢は、彼に捧げられたこの映画で形を変えて叶えられたであろうか。