kaz666

ストレイト・アウタ・コンプトンのkaz666のレビュー・感想・評価

3.7



≪ならず者について≫



芸人になる前、18ぐらいから数年音楽演ってて、ジャンルはハードコアってやつで、世間のチャートを賑わす音楽とは違うベクトルの音楽で、
POPSなんてクソや!
みたいな歌をうたってたなぁ。
CDも出してツアー回って、みんなディッキーズのパンツ履いて、でかいパーカー着て、入れ墨入れて、頭ドレットにして、楽しかったなぁ。
一緒にライヴ演って、飲んで、
握手して肩を合わせたらもう仲間みたいな、あんまり社会的には
ならず者みたいな感じの人ばっかりやったし、
すげぇ怖いバンドマンの先輩に殴られたりしたけど、
それでも楽しかったなぁー。


ならず者とはよくいったもので、
当時ロスのギャングスタラップといえば、その成り立ちやら、生き方を
ライムに乗せて吐き出す。
ギャングスタのhiphopはあんまり好きじゃなくて、同じブラックミュージックならwu-tangとかのが好きだったんやけど、
やかましい音楽聴いてたら、snoop-dogとかice-cubeなんかがよくゲスト参加してたから、あのガラガラのダミ声がすごく懐かしかった。


イーストウッドのジャージーボーイズにすごく近くて
N.W.Aの栄光と挫折を描いている。
コンプトンでクソの掃き溜めみたいな生き方をしていた彼らが徐々にオーディエンスの人気を集め
日を追うごとに会場がでかくなる感じが、時間を費やす度に理解できるし、
オーディエンスと、アーティストがグルーヴを共有する気持ちよさが
舞台上のカメラから認識できる。

bassをループし、そこにローファイで爽やかなメロディをMIXする
ドレーの個性的で唯一無二なトラックに、ギャングスタの攻撃的なラップが乗る。
数十年前にカリスマ的な集団だったことが彼らの苦悩や、毎日繰り広げられるパーティで見ることができる。

プッシャーや、ギャングの真似事をして人生を費やしてきた彼らの栄光と苦悩。
そこに絡むプロモーターと金銭トラブル。
最たるは音楽性の違い。

N.W.Aというヒップホップグループがクソやばい音楽演って、クソカッコいいライム吐き出して、クソでかいことやってのしあがる。
元N.W.Aのメンバは、ウッドストック出たり、エミネム育てたり
今では有名人やけど
元々はみんな悪さして、ハッパやって、女を抱いてた、ならず者だったわけで。
そんな土壌には、土壌の音楽があるし、彼らにしかできない音楽がある。

本当に音楽が好きなら、
お金や、不仲や、それ以外に
やりたい音楽の違いで
意見がまっぷたつに割れることってよくある。
でもほとぼり冷めたら、また握手して、肩を合わせたら
一緒に演っていい音楽作ろうってなるんだよね。
長いけどカッコいい映画やった。


昔大好きな先輩が
≪音楽≫は≪音我苦≫
って言ってたなぁ。

この映画見てそれを
思いだした夜。