群青

ストレイト・アウタ・コンプトンの群青のレビュー・感想・評価

3.8
恥ずかしながらラップは疎く、これを観るまでアイス・キューブはイロモノ俳優だと思ってました…とんでもないラップグループにいたんですね…ただ観た後もやっぱりイロモノ俳優なんだなって思いました笑
いやだってトリプルXに出てますからね…僕とはファミリーで繋がってますからね…笑 関係ないですけどね…


アイスキューブ話は置いておいて一つの時代になったと言われるらしいラップグループの栄枯盛衰の話。
やっぱり何はともあれかっこいいし痛快なんだよね。
黒人だからって呼び止められ持ち物検査をされ難癖をつけられる。黒人だからって決めつけやがってお前らはなんだってんだ、っていう反抗心と指摘は見事に正当性を表している。だからこそラップのメインである歌詞が突き刺さる。
でも大きくなっていくグループは必ずといっていいほど仲違いになってしまう。お金やなんやらが絡むと人は簡単に崩壊してしまう。

そういえばこのラップグループのマネージャーはポール・ジアマッティが演じていた。彼はラブ&マーシーというビーチ・ボーイズの映画でも主人公のマネージャー的な存在で実は搾取する側だった。
なんかこの人姑息な役が似合うな笑


仲違いの仕方もラップらしく舌戦が繰り広げられる。そんなに言わなくてもいいのに、お前らほんとは仲良かったろと思うのだが思うようにいってくれない。
舌戦の先にあるのは一種の切なさだがその切なさが彼らを際立たせる。
音楽っていいなぁ。何があっても残るんだよなあ。本来は声って残らないけど今の時代なら残せる。彼らの音楽は今の時代に聞いても聞くに耐え得るエッジを持っている。

ところでこの映画のタイトルのデザインを見て何か思う人はいないだろうか?洋楽好きならピンと来るはずである。洋楽のジャケットの右下にこのタイトルと同じデザインでペアレンタル・アドバイザリーと書かれているのを観ていると思う。
それはいわゆるFワードなどの危険な歌詞が含まれているかどうかのシールみたいな感じ。そのきっかけがこのストレイト・アウタ・コンプトンみたいなんですなぁ。そう思うとこのタイトルデザインかっこよすぎである。
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