Ｎ.W.A.の中心人物、Dr.ドレ。ヒップホップ愛好家に、知らない者はいないと思う。以前のレビューでも触れたけど、90年代ヒップホップ至上主義者の自分にとって、神のような存在。その時代に応じたトレンドを作り出し、ヘッズ達を熱狂させてきたビートのクロニクル。自身の名盤は言わずもがな、コロンブスがアメリカ大陸を発見したように…スヌープ・ドギー・ドッグやエミネムを輩出し世に送り出した功績は素晴らしい。そのドレが在籍したN.W.A.にまつわる映画であるが、ドレの苦悩なども描かれており、とても興味深かった。ちなみに自分は90年代、もろにヒップホップにまみれながら生きていた。どちらかといえば東海岸の音が好みで、DJプレミア、ピート・ロック、Q-ティップ、ラージ・プロフェッサー、D.I.T.C.、ダ・ビートマイナーズ、ビートナッツなどのプロデューサー達の音がたまらなく好きだった。いわゆるギャングスタ・ラップには若干の距離を置いていたが、ドレの作る音だけは別格だったわけで…。最近のヒップホップはトラップなるビートが流行しているが、それはそれで悪くないしミーゴスなどはかなり好きなほうかもしれない。しかし、90年代ヒップホップのあの真っ黒いビートは特別にカッコよく、腹の底にグイグイ響いてくるのだ。タワレコ、HMV、ヴァージン・メガストアに行っては一日中、ヒップホップを掘りまくっていた。N.W.A.の曲、今の時代に聴いてもぜんぜん古さなどなく、抜群にカッコいいはず。まったく触れたことない方は、だまされたと思って…一度聴いてみて。また違った素敵な景色が見えるかも。
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