8bit

バイオレンス・マウンテン 凌辱の山の8bitのレビュー・感想・評価

3.6
思っていたものと全然違うのでビックリ。
煽情的なタイトルとアルバトロスなパッケージに似つかわしくない、へヴィかつアート寄りの作品でした。
「アルプスの少女ハイジ」を思わせる、のどかな山岳地帯で病気の母親と暮らす姉弟の日常を美しい景色と流麗なカメラワーク、しかも台詞を一切排除して描く前半がとにかく素敵。

というかこの映画、台詞がほとんどありませんでした。
言葉など一切なくても登場人物の視線や仕草、画面の構図などで全て理解できるようになっていて、他のサスペンス映画とは明らかに一線を画しています。

母親が亡くなったその日に、麓の村の男に姉がレイプされてしまったことから、「わらの犬」のような暴力のスパイラルに陥ってゆく展開ではあるのですが、そんな追いつ追われつのシーンでも映像がとにかく流麗で神秘的。
内容よりもとにかくその叙情的な映像に魅せられました。
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