つるみん

ギリシャに消えた嘘のつるみんのレビュー・感想・評価

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
2.9
キャストも舞台も素晴らしいはずなのにストーリー構成が雑だとこんなにも退屈な作品になってしまうのか。

ギリシャの風景や建造物から感じ取れるクラシカルな雰囲気は全体通して楽しめます。さらにヴィゴ・モーテンセンの衣装や煙草をふかす様子など格好良い姿も見る事が出来ます。また映像に合わせたミステリアスな雰囲気を醸し出す音楽も良かったです。
ただ良い点はこれくらいで久しぶりに詰まらないとハッキリ言える映画に出会いました。

正直、前半はそこそこ良かったです。これからどの様に展開されていくのだろうとワクワクしていたのですがストーリーが進むにつれ雲行きが怪しくなり結局何の捻りもなく終わってしまった………。
観る前にどんな内容かも把握していなかったのですが作風や台詞などから何となくドンデン返しを期待してしまう構成になっていて、どれが伏線になるのか楽しみにしていたのですが、まさか全てがミスリードだったとは(笑)

まずキャラ設定が曖昧でした。
主人公のチェスターは台詞にもあったように元陸軍なのですが、彼の格闘の強さの無意味さ。本当に無意味。物語に必要ない情報。
チェスターの妻コレットも彼女の心情変化が中途半端なまま終わってしまいますし。
ガイド役のライダルの父親の死についての言及が余りにも乏しい。

キャラ設定が壊滅的な分、観ている側も感情移入しにくいどころか「?」が頭に浮かびます。
どんなにストーリーが複雑でもキャラに感情移入出来なくともラストに大きなドンデン返しがあれば、せめて満足感は得られるのだがドンデン返しをする素材(伏線)自体ばら撒いていないので何とも言えないですね。
ストーリーに何か決定打となるものが欲しかったです。やはり、この系統はドンデン返しが必須なのでしょう。
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