ぬーたん

ギリシャに消えた嘘のぬーたんのレビュー・感想・評価

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
4.0
さて、皆さん、ギリシャツアー出発しますよ~!✈️ガイドは私ぬーたんです、よろしくっ!え?オバサン?若い子が良かったって?そこの3人、鏡を見よ、自分たちだって結構なオッサンでしょうが!は?フィルマ評価が低い?まあ、クレームは後で伺います。コロナ禍でヨーロッパ行けるなんてそれだけで夢のようですぜ~!👍

原作はパトリシア・ハイスミス。映画化された作品は『太陽がいっぱい』主役はアラン・ドロン。まだ23歳位の若い頃でギラギラ輝いていたアラドン✨多分小学生の頃、日曜洋画劇場で観たのが最初だったけど、あのラストが衝撃的で記憶に残っている。終わってからの淀長さんの解説も興奮気味だった。淀長さん、美男子に弱いし!“映画史上一番美しい男”投票があるのなら、私は間違いなくこの映画のアラドンに1票を投じるね。
それより前の『見知らぬ乗客』はヒッチコック監督。名作!ヒッチコックは原作では物足りず、かなり手直しさせたようだ。その脚本は『さらば愛しき人よ』のレイモンド・チャンドラーも書いたがチャンドラーは原作を馬鹿にしていたという。彼はヒッチともそりが合わずヒッチはチャンドラーの脚本をボミ箱に捨てたという逸話も。いやはや、天才たちは自分を曲げないね😅
『リプリー』は太陽に比べて原作に忠実に映画化された。ドロンがマット・デイモンかよ?とイケメンの差にビックリしたが金持ちお坊ちゃま役のジュード・ロウがドロンのようにカッコ良かった。髪もまだあったし。勿論ドロンには負けるけどさ。
最近では『キャロル』女性同士の恋愛ものだが、これも良かった。これはハイスミス自身がモデルで自叙伝に近いとも言われている。
映画化された作品、なかなか名作が多いパトハイ、サスペンスではあるが、心理描写に力を入れている作家なのだ。

今作の主役は男2人+女1人。旅行中の夫婦と現地のガイドだ。
夫チェスターはヴィゴ・モーテンセン。イケメン!よく見ると顔がデカいしM字額で顔のパーツもそれほど整っているわけではないが、実に魅力ある表情と声と雰囲気で人気のある俳優。私も大好き💕北欧美男と言えば、ヴィゴとマッツ・ミケルセンに決まりだな。マッツと比べヴィゴは生まれはアメリカだ。それなのにデンマーク語など全部で7か国語を話せるんだって!頭も良いんか、カッコ良過ぎる…。この役にもぴったり。白いスーツに煙草、波止場に佇むヴィゴのカッコ良さ!絵になる男、時代を超える男。詐欺師の役だが、詐欺師でも殺人鬼でもヴィゴなら付いて行くよん♡もち、ヴィゴから来るな~!しっし~!と言われるに決まってるけどさ🤣
妻コレットにキルスティン・ダンスト。ドイツ系ではっきりとした顔立ちだが、ふっくら童顔、おかめ系の顔!『マリー・アントワネット』の奔放なイメージが強い。サスペンスでヴィゴの妻という設定には合わないと思ったんだけど、案外良かった。クールで陰のある美女の方が適役と思ったが、彼女の天真爛漫な雰囲気が陽と陰で男2人の怪しさや危うさを際立たせていてこのキャスティングも良かった。
ガイド(実際はガイドでないけど)のライダルにオスカー・アイザック。グアテマラとキューバ人の親を持つ。見た感じは若き日のアル・パチーノにやや似てる。背も小さめで眉毛やひげが濃いのもイタリアっぽい。

長い空の旅も終わり(空の上では飲めや歌えやのお客様が!先程の3人?宴会かーぃ?)無事にギリシャに到着!先ずはアクアポリスの丘へ。皆さま~こちらがパルテノン神殿でございます!目を向けると、真っ白い神殿に現れたカップル!チェスターは全身真っ白なスーツ。コレットはそれより少しクリームがかったワンピース。真っ白なハットをヒョイと投げじゃれ合う2人。歳の差カップルは男が相当リッチと見える。ライダルは遠くからこのカップルをじっと見つめてる。カモがいるぞとでもいう感じで。このライダル、ちょっといい男なのを利用して観光客を騙し、お金をちょろまかすし、軽い男という感じで最初はいけ好かない。
お次は市場に参ります。値段交渉はしますよ。自分の取り分も入れちゃうけどね。
ここではチェスターは紺色のスーツ。これもまた似合う!いい男は何を着ても、いや何も着なくても、いい男さ😍コレットは涼し気なワンピース。ふっくら目のボディは健康的でギリシャの明るい陽射しに似合う。
さて、そろそろホテルに入りますよ。Jさん、エロビデオは有料ですからね!
そのホテルで事件が!このホテルでの廊下のシーン、まるでヒッチコック!探偵の雰囲気も含めて、かなりヒッチコックを意識した演出。自分の欲のためとはいえ、すっかり巻き込まれていくライダル。巻き込まれ型、これもヒッチコックが得意のパターンだね。さりげない写真・新聞などの使い方もヒッチっぽい。これからどうなるのかとワクワクする。
さてお次は船でクレタ島へ参ります。Tさん、昼間からお酒は飲み過ぎないで!女性陣に絡まないで!Pさん、絡まれた?大丈夫?
クレタ島に着いてからは、3人の心理状態が不安定に揺れ動き始める。コレットとライダルの関係を疑い嫉妬するチェスター。ベッドでのチェスがダサめのメガネでパジャマで何だか普通のオッサンに見えるけど、もちろんそれでもいい男!出だしの渋くて自信たっぷりのチェスターが徐々に気弱になって行く描写が上手い。
次はバスで移動ですよ~。Bさん、ちょ、アイス何個目?早く食べて~😅
クレタ島のクノックス遺跡群へ向かう3人。雨が降り地下の迷宮へ。ここが不気味でちょっと怖い。ライターの灯り🔥で先へと進むシーンが好き。これはアガサ・クリスティっぽいかな。ただ、ここでの結末が‥唐突でびっくり😓あらま!
次は船でアテネに向かいます。人数確認!あれ?1人足りない‥。Tさん、酔っ払って海に落ちたかな?あ、女性だわ、Sちゃん、女性が1人足りないんだけど…。知らない?コレットちゃん。
空港でのシーンはカメラが上手い。さあ飛行機に乗りますよ~。Hさん、お土産買い過ぎ!そして行き先はドイツ?いや、トルコのイスタンブールに変更!ここでの逃げる追いかけるのシーンは『第三の男』を思い出す。インスタンブールの街中の雰囲気がエキゾチックで逃走劇にぴったり。

さて、この映画、サスペンスとして観ると、前半のワクワク感からの期待を後半で裏切られる。どんでん返しもないし、おーぉ、となる展開もない。むしろ、えぇ!となる割と雑な後半。しかし、前述したように心理描写に重きを置いたスリラードラマとして観ると、なかなか良く出来ていた。冒頭のライダルの父の死、税関での父と息子の振り。最初は形は違えど詐欺師同士という騙し合いみたいな関係が、少しずつ変化していく。この2人の男が1人の女性を軸にグルグルと、憎しみや連帯感や親子のような親近感や、そして駆け引きをしつつ、ラストに向かう。チェスターの言葉、そこにあったのは…。

最初と同じ白い風景の中でのラストも良かった!観終わったらライダルも好きになったし、3人みんな根っからの悪人とは思えない。
個人的にはヴィゴのカッコ良さと落ちていく哀れな姿に胸キュンで、それだけで観る価値あり。更にやっぱりギリシャの明るい景色と、遺跡。空と海の青、遺跡と衣装の白、色彩のコントラストも楽しめた。この明るい舞台で繰り広げられる、人間の欲深い嫉妬深い暗い姿が見事に描かれていたね。
こういう作品にしては邦題もいいねえ。そして不安を煽る音楽も良かった。96分と短いし飽きることもない。

というわけで、そろそろ帰路に。日本までの長い空の旅、大いに旅の思い出を語りましょう!つまらんかった?ぬーたんのバカ?お叱りの言葉、甘んじて受けましょう!言いたいこと言ってスッキリ帰ろうよ。それはそれで良し!みんなで一緒に旅をすることが目的なんだから!
成田到着!解散!地方乗り継ぎ気を付けて!ラインは交換した?また一緒に旅ろうぜ!
以上、ガイドはぬーたんでした。またの参加をお待ちしてます😉💖

※おやつはこの映画に合わせてギリシャヨーグルト。ハチミツ🍯とバナナ🍌をオンして。トロリとして美味しい。
※夕飯は、うに丼!この時期は美味しい海水うにを買って贅沢うに丼を食べるのが楽しみ!家族はうに好きでないので、いくら・帆立丼!炒り豆腐。長芋とキュウリの叩き。湯葉のお吸い物(インスタント)
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