けーはち

ギリシャに消えた嘘のけーはちのレビュー・感想・評価

ギリシャに消えた嘘(2014年製作の映画)
3.5
『太陽がいっぱい』の原作者ハイスミスの『殺意の迷宮』が原作。悪どい株屋のイケメンオヤジが旅先のギリシャのアテネでカネを獲ろうと詰め寄ってきた探偵をはずみで殴り殺してしまい、ガイドの若者をまきこんで妻をつれて逃避行──というヒッチコックの古典的サスペンスみたいな緊迫感に、ちょいとモダンな視点がグリグリ動く撮影のとりあわせが新鮮で、もうひとりの主人公のガイドの若者が死に目に会えなかった父に似たオッサンと呉越同舟しながら女のとりあいするみたいなオイディプス・コンプレックス的要素はギリシャ古典悲劇のよう(勿体ぶる割にはストーリー的にあまり深く絡みはしないけれど)。総じてバランスの良いスリラーの小品。嫉妬深くアル中でろくでなしの小金持ちイケオジを演じるヴィゴ・モーテンセンが良い味出している。